もし今死んじまったら――…なんて事をフト思った。

過酷だったけれど、大事な幼い頃の体験。
色んな事を必死になって覚えようとするオレに、さりげない優しさで指導してくれたクソジジィ。

そして今は、良い仲間に囲まれて―――。
全く申し分のない人生じゃねぇか――と思うと口元が綻んだ。


死なねぇけど。


目にオールブルーを焼き付けるまでは。
オレの料理を食いたいと思ってくれるヤツ等がいる間は。


そして―――


「サンジ!メシ!」
「サンジくん。この間出してくれた紅茶また飲みたいんだけど、まだ残ってるかしら?」
「なぁ、サンジ、ウソップ工場の敷地を少し広げたいんだが…」
「サンジ、今度ノースブルーの話聞かせてくれよ!ドラムやアラバスタとは違うんだろ?」
「コックさん、書物の中から見たこともないレシピが出てきたわ。見てみる?」


やっぱ、この仲間とずっと一緒に居てぇ。
無理な事かも知れねぇけど、出来るなら。
離れ離れになたっとしても、皆が夢を叶えて、またオレのメシを食ってくれるようになれば良い。



「おい、クソコック」

―――そして、離れてもずっと心ん中に居つづけるであろう剣士。

「あ?何か用か?」
「別に」

用がなきゃ呼んじゃいけねぇのか?と言うような目付きでゾロがオレの側にやって来る。
と思ったら、不意に腕を掴まれた。

「テメェが黄昏てるなんて似合わねぇ」
「まりもが黄昏るよりマシだろ」
「――…一緒だからな」
「あ?」

オレの夢は世界一の大剣豪になる事だ――そう言うゾロにオレは分かっていると頷いた。
「お前の料理を食って大剣豪になる。なってからもだ」


そう言うと強く、強く抱きしめられた。
切ない程の力強さで。


ああ、コイツはオレが何も言わなくても、感覚で何を考えてるのか分かるみてぇだ。
抱きしめられながらオレは思った。
さすがまりも。あなどれねぇ。


けどよ、こんなに呼吸が合うヤツなんて滅多に居ねぇよな。
コイツとは不思議なくらい息が合う。
初めはどこまでも反りが合わないと思ってたけど。


やっぱオレって幸せ者だな。


今死んでも笑ってられる気がする。
死なねぇけど。


抱かれながらも考えを続けていたら、グイっと顎を掴まれた。
真っ直ぐな瞳に頭から余計な考えが粉砕される。

「サンジ――…」

コイツの言葉に弱ぇ。腰にくる。
答える代わりに抱きついた。


あったかい、力強い「生」の鼓動が伝わってくる。
それをもっと味わいたくて目を閉じた。
何とも言えぬ安心感。心ん中も、身体ん中も満たされる。


オレが幸せなように、皆が、世界中の人が、どうぞ幸せでありますように―――。


 

■オンラインでもオフラインでも大好きな早瀬様宅のサン誕記念SSです〜vv

早瀬様のお書きになる二人って、ラブラブでも型崩れなしで

カッコイイんです!!三宮じゃ、言い表せないし書き表せない!!素敵SSありがとう御座いました〜■

 

 

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