White Camellia

 

 

偶然開けたキッチンのドアの向こう

ランプの灯りに照らされたその下で一本の花を握っていたサンジが居た

それを、見つける瞳は何処か幸せそうで、その穏やかな蒼い瞳に声を掛けることが出来ず

ドアに掛けていた掌が一瞬止まってしまう‥

 

オレに気付いた様子も無く、こげ茶色した枝から伸びるその白い花びらに

愛おしそうにそうの唇が触れた

 

 

 

枝を握る指の白さ

 

 

 

寄せられた唇の薄紅さ

 

 

 

掛かる細い金糸の髪と

 

 

 

降り注ぐ橙色の灯り

 

 

 

その傍で息づく花の白い儚さが混ざり合い、其処だけがまるで一枚の絵のように綺麗だった

 

 

ギィッ―‥

 

「†?!ι」

ヤベ‥ι 

魅せられるような光景に、

思わず乗り出した体が開きかけのその扉をダメ押しを与えるように動かしてしまい

長い航海のせいで立て付けの悪くなっている木戸は軋んだ音を立てて静寂を崩す

 

 

 

「あー‥っとι」

 

「何だよ‥覗きとはあんまり頂けねぇ趣味だなvvV」

 

 

 

俺の姿に気づいたアイツは、さっきまで手にしていた花を慌てて水を挿したコップに戻す

さっきまでの、静けさとは打って変わってその唇から出たのはいつもと変わらない減らねぇ憎まれ口

売り言葉に買い言葉宜しく、コイツと顔つき合わせれば大抵は下らねぇ罵り合いばっかで‥

 

 

「あぁ?ιこんなトコでボケッとしてやがるテメェが悪ィんだろーがよ」

 

 

「なんだとクソマリモ?ココはキッチン、言いかえれば俺の居場所だ」

 

 

「だからなんだよ?ι」

 

 

「はぁー‥だ・か・ら!!オレがココでボケッとしてよーが、なにしよーが問題ねぇっつーコト♪

理解出来るかな?マリモヘッド君?」

 

 

「†あんだとこの素敵マユゲが!!」

 

 

まるで、やれやれと言わんばかりの態度、売り言葉に買い言葉で

結局無駄な労力使ってるって分かっててもついついやってしまう下らない喧嘩

 

 

 

 

 

 

 

「なぁ‥明日島に停泊するんだとよ」

 

 

 

「‥それで?」

 

 

「ちっとばかしオレに付き合え」

 

 

 

止める奴も居ない真夜中の船内で勃発した喧嘩の下らなさに

一時休戦のように向かい合って壁に座り込めば、ダルそうな声で

新しい煙草に火を点けた奴が、赤く灯ったフィルターの先をオレに向ける

 

 

 

来た‥ι

 

港に停泊する時のサンジのお誘いはイコール買出しの荷物持ち

自分は軽いモノばっかりぶら下げて、重量級の荷物は全部俺に放り投げて寄越しやがる

この船の面子を考えて手伝いには自分が適役だろうなってことくれー分かるけどよ‥

コイツと行くと何だか自分が妙にいたたまれなくなってくんのが嫌だι

 

 

 

「ったく‥また買出しかよιクソ重てぇのばっか」

 

 

「ちっげーよ!!」

 

 

珍しくサンジの返事は即答だった。誤魔化しもしなければ

買出しじゃないってーのは有難ェ話だけどよ

じゃ一体ドコに行こうってんだよ‥

 

 

「?ι‥じゃぁ何なんだよ?」

 

 

「ま、明日のお楽しみってトコだ‥分かったな?」

 

「はっ?ι‥それじゃ分かんねぇーよ!!ι」 

 

 

「いいんだよ!とにかく明日だ‥すっぽかしやがったら・・・・・・殺スvvV」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「・・・オイッ!!一体何処まで行くんだよっ!!!ι」

 

 

 

「?ったく、もーちっとだから急かすんじゃねーよ」

 

 

 

「うっせぇな、大体行き先くらい教えやがれι」

 

 

「まぁまぁ」

 

 

「まぁまぁじゃね・・・っ・・ん?」

 

 

 

今朝から行き先も教えられずに港を出てから散々歩かされた挙句

鬱蒼とした森みてぇな林間に連れ歩かれ募ったイライラが爆発しようとした瞬間―‥

 

 

 

 

スッ―‥とほのかに甘い香りが鼻をついた‥

 

 

 

ふいにサンジの足取りが速くなり、まるで駆け出すようなソレに思わずつられて走ると

闇雲に並んだような木々を抜け出た場所に急に開けたような小さな空間と

満開に咲き誇る白い白い花びらを湛えた木々が密生していた

可憐に震えるその花は、昨夜サンジが手にしていた一輪の花と同じモノで‥

 

 

 

 

「椿‥?」

 

 

 

「お、知ってんのか?意外だな‥」

 

「オレの生まれた国でもよく咲いてたんだよ」

 

 

「へぇ・・・白い椿ってな、今日のっ‥つーか・・・つまり‥お前の誕生花なんだぜ」

 

 

 

「・・・は?」

 

 

 

我ながら間抜けな声が出たと思った

馬鹿にした訳じゃなかったが、今の今まで自分の誕生日を忘れていたことと

コイツのいつもの女相手じゃなきゃ言わないような科白に面食らっただけだが・・・

 

 

速攻で怒鳴り声が聞こえるんじゃないかと、ヤバいと耳を塞いだも束の間‥

怒声どころか、シンとしてしまったその方向を見ると

サンジの頬がみるみる内に紅く染まり、罰の悪そうな顔で言葉を出しあぐねているようだった

 

 

 

「‥チッ、だからロマンの欠片も無ぇ奴はムカつくんだよ」

 

 

「悪ィ‥」

 

 

「†謝んじゃねぇよっ!!///コッチが恥ずかしくなんだろーがι」

 

 

「あ、あぁ‥ι」

 

 

シン―‥と再び静寂が辺りを包み込み、調子が狂う

 

 

 

照れたようなサンジに柄にもなく戸惑っている自分が心底情けないと思った

それでも控えめに伝わって来るその愛情のような熱が心底嬉しかった

 

 

 

そよ風の騒めきと葉の擦れる音だけがザワザワと響く中

ハラリ、と舞い落ちた一枚の椿の白い花びらをサンジの指が追い掛けた

風に遊ばれてその花弁が俺の方へ飛んだ花びら‥

 

 

 

迫ってきその柔らかな花弁と追い掛けるのを止めようとしないその掌を

一緒に、グイッと胸の中に引き寄せる

 

 

「†っ・・・ビックリすんだろーがよ!//」

 

 

突然のコトで重力を失った足は縺れるように腕の中に倒れ込み

サラサラと流れる金髪がくすぐったっく頬を撫ぜた

 

 

 

「テメェが見せたかったモンって‥」

 

 

「あ?‥そーだよっ!!コレだよ、誕生花ってのさ‥偶然ナミさんに聞いて」

 

 

「あの女に限って偶然なんて有り得そうもねぇ話だな‥」

 

 

「ハハッ‥まぁいーんじゃねぇの?で、次の島にはきっと咲いてるらしいっつーからさ‥」

 

「わざわざ停泊したのか?」

 

 

「バーカ、自惚れんなよ‥ただの買出しだっての」

 

 

「でも此処に連れて見せに来たんだろ?」

 

 

「っ‥笑いたきゃ笑え、どーせロマンチストだよオレは‥どっかの情緒もクソもねぇ剣士と違ってな?」

 

 

「笑わねぇよ‥」

 

 

 

 

「サンジ‥」

 

 

「な‥何だよι」

 

 

「サンキュな‥」

 

 

「バーカ・・・・」

 

 

「ったく‥口だけは減らねぇなテメェはよ」

 

 

「煩ぇ‥マリモ」

 

 

「クソコック」

 

 

 

「‥誕生日おめでとう」

 

 

 

「あぁ‥」

 

 

 

 

 

「あぁじゃねーよ、もっと何か気の聞いた科白言えねーのかよ」

 

 

「何だよ、オレに歯が浮くよーなセリフでも言って欲しいのか?」

 

 

「よせよ、気色ワリィ‥」

 

 

「だろ?」

 

 

 

 

* * *

 

 

 

 

「って・・・外でサカってんじゃねーよ‥!!//ι」

 

「お互い様だろ?」

 

 

 

どちらとも無く交わされた口付けは、

いつしか甘く触れるだけのモノから濃密な恋人同士のソレへと変化を始め‥

 

 

 

 

陽だまりの中 椿の木の下

 

 

 

 

「ん‥ふぁっ‥」

 

 

呼吸の苦しさに先に音を上げたのはサンジで、既に混ざり合った唾液が顎の下に伝い落ち

白い首筋を仰け反らせたサンジのネクタイを乱暴に胸元から引き抜くと

流れた唾液を舌で追うように、そして引き千切らないよう慎重にシャツの釦を外して‥

 

 

「がっついてんじゃねーよ///ι」

 

「ククッ、テメェの方が余裕ねぇんじゃねーのか?」

 

 

露わになったその白い肌に噛み付くように何度もキスを落とし

体にいつでも消えること無く残っているオレの痕に、再度刻み込むように吸い付くと

刺激を待ち侘びて震えている薄桃色の突起を獣のように舌で貪る

 

 

 

否定したモノのこれじゃ確かにがっついてるのと変わりねぇな‥

 

 

 

「んっ‥くっ‥‥はぁ‥ぁ///」

 

 

「声出せよ‥」

 

 

「バカッ‥ココ外だろーがよっ!!ι」

 

 

「どーせ誰も来ねぇよ‥」

 

 

 

外だろーと何だろうと、抑えているせいでくぐもって掠れ気味に聞こえる声が勿体無い

ぷっくりと硬度を増して勃ち上がる突起にじんわりと歯を立て、放ったらかしにしていたもう片方にも

指先で際限の無い快楽を与え続ければ、噛み締めた唇が緩んで濡れた口元から漏れる甘い声

 

 

「ふぁっ‥ン‥‥ぁっ‥ぁ‥」

 

 

途中で何度もイヤイヤとサンジが被りを振って見せるが

布越しでも分かる雄の膨張をチラリと横目で見つめ、窮屈そうに張り詰めた其処に手を伸ばし握り込んでやる

 

 

「†やっ‥やだ‥ゾロッ‥‥///」

 

 

途端に目を見開き、抵抗を見せるように白い掌が腕を掴んだが快楽に酔ったその体では

抵抗する力などすでに何の力も持たないくらいに弱々しく

 

 

「んぁ‥‥離し‥っ‥‥」

 

 

「離しちまっていいのか‥?」

 

 

哀願のように吐息がすすり泣きのようになってきた時に手を離すと

一瞬見せた物足りなさそうな表情も、先走りが流れて濡れそぼった最奥の窄まりに指を差し込むと

快楽を貪欲に味わおうとする悦の色へとあっという間に姿を変える

 

 

「‥準備は要らねぇな」

 

 

「いーからっ‥早く・・・来いよ」

 

 

「言われなくても」

 

 

「はっぁ・・・ふぁ‥っは‥ぁ///ι」

 

 

指で掻き回し確認するかのように呟くと、真っ赤に染まった頬からは羞恥の入り乱れた声

突き入れていた指を引き抜くと、己の手で乱れる痴態を見ていただけで既に昂った自身をあてがう

狭い内壁を分け入るように押し進めていくとサンジの口から苦痛を含んだ声が漏れたが‥

だからといって、今更引く訳もいかない状態

 

 

「一気にいくから我慢しろよ‥」

 

 

「ぁっ・・・ん‥上等だぜ」

 

 

金糸の張り付いたこめかみに唇を落とし耳元で囁くと

じっとりと汗を滲ませながらも、ニッと口端を吊り上げ俺を挑発する

 

 

 

「バーカ・・・後悔すんなよ?」

 

 

「誰がっ‥†ひっぅ‥んぁ・・ぁっ・・・ぁあ‥///ι」

 

 

どんな状況になっても変らない口に、思わず笑みを漏らしながら口付けを与え

突き上げられる衝撃と共に溢れ出る嬌声を呑み込むように響く口内を貪り吸い上げると

 

 

「ぁっ・・・んぁ‥はぁ‥ぁあン‥」

 

 

揺さぶれるリズムに合わせて零れる喘ぎ

後孔に与えられる刺激だけで屹立したサンジ自身に爪を立てれば

全身を総毛立たせ、爪先まで痙攣を起こしたようにガクガクと近づく絶頂に震えた

 

 

「やっ‥ぁ・・ゾロッ‥もっイク・・・ゥ///ι」

 

 

「はっ‥イケよ・・・っオレもι」

 

 

 

 

 

 

 

 

*   *   *   *

 

 

 

 

 

「プレゼント?」

 

 

「あぁ‥何か欲しいか?ま、このオレ様以上のモノがあればって話だけどな?♪

 

 

「そうだな―‥」

 

 

 

 

 

運命なんて信じねぇけど

 

 

 

愛してるなんて言葉はまやかしみてぇだけど‥

 

 

 

 

 

今日だけは、

 

 

 

 

この世界に

 

 

 

この時間に

 

 

 

 

 

今この場所に

 

 

 

自分の存在が在る事に感謝する

 

 

 

 

 

幸せなんて案外身近に有るモンで

 

それを見つけて手に入れたオレは

 

幸せなんだろうと思う

 

 

 

 

 

オレには洒落た科白も

気の効いた言葉さえ浮かばねぇけど

 

 

 

 

 

何も要らない

 

 

 

オマエだけが居ればいい

 

 

 

 

 

 

あぁ、来年のオマエの誕生日はオレが祝ってやるよ

 

 

 

 

 

 

最高だろ?

 

 

 

 

 

 

 

「そうだな、テメェで十分だ」

 

 

「っ///?!・・・ま‥当然だな♪」

-FIN-

 

 

 

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朋さんがゾロ誕生日記念に特別に書き下ろして下さった素敵ゾロサン小説!

あ〜vvもう、シャンエーに引き続き、コッチも素敵!!ちょっとアップが間に合わなくて

ゾロ誕部屋には飾れなかったのが残念ッ!!(><)

朋さん宅の1500打を三宮が踏み踏みしちゃった時記念にヘボ絵を送り付けたんですが、

そのお返しに、とゾロ誕とシャンエー小説を下さったんですよ〜〜ッ!!!海老で鯛!!まさに!!!

本当に有難う御座いました〜♪

 

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