ほんの少しだけ不安になるの…。

                 明け方の甲板。喉が乾いてキッチンに向かったその時

       ふと通りかかった格納庫の前。何とはなしに聞こえてきたのは恋人達の甘い囁き。           

                                                     

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               『愛してるぜ…?ゾロ…世界で一番の愛をてめぇに誓うよ』

                                                             

                     『言ってろ、馬〜鹿!このラブコックが』

                                                            

            クスクスと笑いながらではあったけど、心に染みる二人の心からの本音。

                         ……羨ましかった……

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                   ルフィに不満があるわけじゃないわ。

          前だけをまっすぐに見詰めた漆黒の瞳で、あたしを見て『大好きだ』という彼。

          太陽の光をいっぱい浴びた眩しい笑顔で、あたしを強く抱き締めてくれる彼。

             麦藁帽子をくるくる指で回しながら楽しそうに夢を語ってくれる彼…。

             そんなルフィが大好きだけど…ほんの少しだけ、不安になるの…。

                      ねぇ、もうずっと言ってもらってないよ…?

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                            『愛してる』って。

       それだけで不安になるなんて…馬鹿みたいだけど…サンジ君みたいに上手に

                   言えなくてイイから…また囁いて欲しいの…

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        ☆★☆愛の言葉☆★☆

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    楽しかったあたしの誕生日パーティーも終わって、サンジ君の片付けの邪魔にならないよう

                 あたしとロビンは甲板で青い綺麗な月を見ていた。

 食べ過ぎと呑み過ぎで寝ちゃったルフィとウソップ、チョッパーは先にゾロに男部屋に運ばれた。

   男部屋のハッチを見詰めて、小さな溜め息をついたあたしに、ロビンが優しく微笑んだ。

       「航海士さん、どうしたの?素敵な日の最後に、さっきから溜め息ばかり…」

                         「……え……あ、ごめん」

             「…………ひょっとして船長さん?先に寝ちゃったものね…」

  クスクスと笑うロビンに、あたしはもうヤケになって「そうよ」と答えた。彼女は相変わらず目を細めたまま。

  せめて日付けが変るまでは起きてて欲しかった、何て言えないけど…きっと言わなくてもバレてるわ。

              「ハッキリ言えばいいのに…朝まで一緒に居たいって…」

      「言えないわよ…あたしの方が年上だし…信じてないみたいじゃない、ルフィの事…」

   はぁ…とまた一つ溜め息・・・。誕生日なのに、ルフィはパーティも席でもほとんど食べてばかりで……。

  そりゃぁ盛大におめでとうって言ってくれたけど、プレゼントを貰ってからは、ルフィは食べる一方だった。

               「……そう言えば船長さんからのプレゼント何だったの?」

       手摺に凭れて綺麗に首を傾げて聞いてくるロビンに、あたしはあぁ、と答えた。

  「……ワインよ?『ナミ、酒好きだろ?』って…もう本当に食べ物なんてアイツらしくてヤんなっちゃう…」

                     「……あら、いいじゃない、素敵よ?」

 「……あたしの生まれた年の年代モノとかならね〜…普通のワインよ?あ、折角だから今飲まない?」

                        「いいの?何だか悪いわ…」

      ロビンはあたしの提案に申し訳なさそうに眉を顰めたけど、あたしは首を横に振った。

            「いいの!どうせ、ルフィとは飲めないし…サンジ君が軽い食事にあう

               ワインだって言ってたから二次会にきっとぴったりよ」

                   そう言って、キッチンのサンジ君に声を掛け。

                  あたしはワインクーラーからワインを持ってきた。

              綺麗な淡翠色の白ワインは…月に溶けてしまいそうな程儚くて…

               あたしは頭を振って男部屋のハッチに視線を移して苦笑した。

                      「…ありがとう、ルフィ…皆で飲むわね」

                   そう呟いて、ロビンの居る蜜柑畑に足を向けた。

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                       「おまたせ!呑みましょうかv」

   

ワインと一緒に持ってきたグラスを渡し、ワインの栓に手を掛けたあたしに、いきなりロビンが静止を掛けた。

                      「……ッ!ちょと待って、航海士さん」

                  「え……?どうしたの、ロビン…。白ワイン苦手?」

        いきなりワインボトルを手に取って、ロビンはそのラベルを見るとふわりと笑って

                          ボトルをあたしに返した。

    何かしら…何か変な謂れのあるワインだったりしないわよね…?なんて思いながらロビンを見詰めた。

            「航海士さん、そのワイン…あたしが一緒に飲んじゃ、船長さんに悪いわ・・・」

           そう言って、今夜の月よりも深い、紫掛かった蒼い瞳で綺麗に微笑んだ。

          訳が解らなくて、返されたワインボトルを見てもあたしには何もピンとこない。

             不思議そうに首を傾げるあたしにロビンは微笑えんだまま言った。

          「……そのワインは『Romeo&juliet Bianco』恋人のためのワインよ」

                         「……え?どう言う事?」

             「そのボトルのラベルデザインは『バルコニーでの愛の誓い』」

                          「・………ぇ?」

             「つまり…『この美しい月に誓って…永遠の愛をあなたに捧げます』」

               ロビンの話しに、あたしはワインラベルを眺めて呆然となった。

    「コックさんが助言した訳じゃないみたいだから…さしずめ船長さんの勘で選んだんでしょうけど…」

    『あなたを想って選んだ彼に、運命の神様がこのワインを選ばせてくれたのね』って言いながら

                       ロビンは優しく髪を撫でてくれた。

            あたしは嬉しくて嬉しくて…さっきまで勘ぐってた自分が馬鹿みたい。

        言葉になんかしなくても、ルフィはこうやっていつもあたしを喜ばせてくれる…。

                            愛してくれるのに…。

               形にばっかり…言葉にばかり拘ってた自分が恥かしい……

                 「ありがとう…ロビン…あたし、ルフィに言うね」

                   ごめんね、も…ありがとう、も…それから…。

      あたしは結局飲まないままのワインボトルを抱き締めて、月を写す薄暗い海を見つめた。

           「……このワインは…ルフィがもっと大人になって…このワインボトルの台詞も

              しっかりキメえるようなになったら一緒に飲む事にするの…」

          「…そうね…その時はきっと、今よりもっと素敵な恋人同士になれてるわ」

                     そう言って、微笑むロビンにクスリと笑い。

                

     それまで沢山、沢山、囁きあうの…背伸びした言葉じゃなくて…二人の素直な気持ちを…。

         だから朝になったら伝えよう…。ごめんね、も…ありがとう、も…それから……

                        ありったけの、愛の言葉を・・・

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     何とか何とか間に合った〜〜ナミさん誕生日おめでと〜〜〜vv時間がなかったのであちこち削ったら

  このように中途半端なモノに…(泣)これ単に『Romeo&juliet Bianco』の可愛らしい意味を書きたかった

     だけだったり…(爆)とにかく!ワインなんかまだ飲めない三宮にワインのことを色々教えてくれた

『葉月』姉さんvv せっかくのワインネタを活かせなくてゴメンね…本当にありがとうvサンナミ用も教えてくれたけど

                    あれはサンゾロでいつか使いたいなv ありがとうv

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